1. 子どもの歯並びが乱れる主な原因とは?
スマナビ先生子どもの歯並びが気になりはじめると、「どうしてこんなふうになったの?」と心配になりますよね。
実は、歯並びが乱れる原因にはいくつかの要素が関係しています。ここでは、特に多い原因をわかりやすく紹介していきます。
1-1. 遺伝の影響:歯並びはどこまで親から受け継がれる?
まず一つ目に考えられるのが遺伝です。



「親の歯並びが悪いと子どもにも影響するの?」という質問をよく受けますが、答えは「はい、影響します」。
ただし、遺伝するのは「歯の大きさ」や「顎の大きさ」であって、歯並びそのものがコピーされるわけではありません。
例えば、顎が小さいのに歯が大きいと、歯がきれいに並びきれずガタガタになることがあります。
逆に、顎が大きすぎてすきっ歯になるケースもあります。
【ポイント】
- パパやママの歯並びが良くても、子どもに違う問題が出ることもある
- 歯の大きさと顎のバランスが重要
1-2. 生活習慣の問題:指しゃぶり、舌癖、口呼吸が与える影響
遺伝以外にも大きな影響を与えるのが、子どもの生活習慣です。
- 指しゃぶりが3歳を過ぎてもやめられない
- 舌で前歯を押すクセがある(舌癖)
- いつも口がポカンと開いている(口呼吸)
これらの習慣は、歯並びや顎の成長に悪い影響を与えます。



特に口呼吸は見逃されがちですが、口の周りの筋肉のバランスが崩れるため、歯並びが悪くなりやすくなります。
【ポイント】
- 指しゃぶりは2歳半くらいまでには自然に卒業できるのが理想
- 口を閉じる力(口唇力)を育てることが大切
1-3. 食生活と歯並び:柔らかい食事が招くリスクとは



最近の子どもたちは、柔らかい食べ物を食べる機会が多くなっています。
しかし、噛む回数が減ると、顎の発達が不十分になり、歯がきれいに並ぶスペースが足りなくなってしまうんです。
昔に比べると、硬いもの(たとえば干し芋や煎餅など)をしっかり噛んで食べることが減っていますよね。
それが、子どもの歯並びに少なからず影響を与えています。
【ポイント】
- 「よく噛んで食べよう!」を意識するだけでも予防に
- 柔らかい食事ばかりにならない工夫が大切
2. 親が気づきにくい「見えない原因」とは?
子どもの歯並びが乱れる原因は、遺伝やクセだけではありません。
実は、親御さんが気づきにくい「見えない原因」もたくさんあります。ここでは、見落としがちなポイントについて詳しくご紹介します。
2-1. 乳歯の虫歯や早期喪失がもたらす歯列への影響
「乳歯はどうせ抜けるから、虫歯になっても大丈夫」と思っていませんか?
実は、これは大きな間違いです。



乳歯には、次に生えてくる永久歯を正しい位置に導くという、とても大事な役割があります。



もし乳歯が虫歯でボロボロになったり、早く抜けてしまったりすると、そのスペースに周りの歯が倒れ込んでしまい、永久歯がきれいに生えてこられなくなります。
【ポイント】
- 乳歯の健康は、将来の歯並びを守る第一歩
- 虫歯予防は「今」から始めましょう
2-2. 姿勢の悪さと歯並びの関係
意外かもしれませんが、猫背や前かがみの姿勢も歯並びに影響します。



悪い姿勢を続けていると、舌の位置が下がったり、口呼吸になりやすくなったりして、顎の成長に悪い影響を与えるからです。
特に、タブレットやスマホを長時間見ていると、頭が前に出た姿勢になりやすいので注意が必要です。
【ポイント】
- 正しい姿勢=顎と顔のバランスを育てる土台
- 食事中や勉強中の姿勢も見直してみましょう
2-3. アレルギーや鼻づまりによる口呼吸のリスク
アレルギー性鼻炎や慢性的な鼻づまりがある子は、自然と口呼吸になりやすいです。



口呼吸が続くと、舌が上あごに当たらず、本来広がるべき顎が小さく育ってしまい、結果として歯が並びきれずにガタガタになってしまいます。
また、口が開いたままだと、顔つきにも影響が出ることがあるので要注意です。
【ポイント】
- 「いつも口が開いているな」と思ったら耳鼻科で相談を
- 鼻呼吸を取り戻すことが、歯並び予防にもつながる
3. 歯並びを悪化させないために、親ができること
子どもの歯並びが気になると、「もう遅いかも」と心配になる親御さんも多いですが、心配はいりません。
日々のちょっとした工夫や早めの対応で、これからの歯並びを守ることができます。
ここでは、親としてできる具体的なアクションをご紹介します。
3-1. 生活習慣を改善するための具体的なアドバイス



まず大切なのは、悪いクセに早めに気づいてあげることです。
- 指しゃぶりをしている時間が長い
- 舌で前歯を押している様子がある
- 食事中にクチャクチャ音を立てる(噛み方が浅い)



こうした行動が見られたら、叱るのではなく優しく気づかせてあげることが大切です。
また、寝るときに口が開いていないか、普段の呼吸が鼻からできているかもチェックしてみましょう。
【親子でできる工夫例】
- 寝る前に「お口閉じてね」と声をかける
- ガムや干し芋などを使って噛むトレーニングをする
- 食事中の姿勢を一緒に見直す(机と椅子の高さも重要!)


3-2. 正しい姿勢・噛む習慣を育てるポイント
姿勢と噛み方は、歯並びにとても影響します。



特に、食事中は背筋を伸ばし、しっかり噛むことを意識しましょう。
おすすめは、「一口30回噛む」習慣を親子でゲーム感覚で取り入れることです。
自然と顎がしっかり発達し、歯がきれいに並ぶためのスペースを作ることができます。
また、噛むときに左右両方の奥歯をバランスよく使うことも大切です。片方ばかりで噛むクセがつくと、顔のバランスや歯並びがゆがんでしまうこともあります。
【ポイント】
- 食事中は「足の裏が床につく」高さで座る
- 「よく噛むと体にいいね!」とポジティブに伝える
3-3. 早期に歯科医院に相談すべきサインとは?



「まだ小さいし、矯正はもっと先でいいかな」と思う方も多いですが、実は早めに相談することで簡単なケアで済むことがたくさんあります。
次のようなサインがあれば、一度矯正歯科で相談してみるのをおすすめします。
- 乳歯のすき間が全くない
- 前歯が逆に噛んでいる(反対咬合)
- いつも口をポカンと開けている
- 顎が左右にずれているように見える
早期相談のメリットは、成長をうまく利用して顎を広げたり、歯の生えるスペースを作ったりできることです。
大がかりな矯正治療を避けられる可能性も高まります。
4. 歯並びの悪化を防ぐために知っておきたい「予防歯科」の考え方
子どもの歯並びについて、「悪くなってから治す」のではなく、悪くならないように予防するという考え方がとても大切です。
ここでは、歯並びを守るために知っておきたい「予防歯科」の基本について、わかりやすくお話しします。
4-1. 定期検診の重要性とタイミング



歯医者さんに行くのは「痛くなったとき」だけ、と思っていませんか?
実は、歯並びも含めて、定期的にチェックすることがとても大切です。
子どもの歯は成長とともにどんどん変化します。
乳歯から永久歯に生え変わる時期(6歳頃〜12歳頃)は特に注意が必要です。
3〜6ヶ月に1回程度のペースで、歯科医院で定期検診を受けることで、早い段階で問題を見つけることができます。
【ポイント】
- 生え変わりの時期は特に定期検診を忘れずに
- 虫歯や歯並びの乱れを「早期発見・早期対応」できる
4-2. 小児矯正はいつから始めるべき?目安と注意点
「子どもに矯正治療が必要かも…でも、いつ始めたらいいの?」という質問はとても多いです。



一般的に、小児矯正は6歳〜10歳ごろにスタートすることが多いですが、これは子どもの成長段階や歯並びの状態によって違います。
特に、次のような症状がある場合は、早めの対応が効果的です。
- 前歯が大きく重なっている
- 下の歯が上の歯より前に出ている(受け口)
- 顎の成長にアンバランスが見られる
【ポイント】
- 早めに始めれば、負担の少ない方法で改善できることが多い
- 成長を利用した矯正は子どもにとっても楽


4-3. 歯科医に相談するときに押さえておくべき質問リスト
そんなときは、こんな質問をメモしておくと安心です。
- 今の歯並びの状態に問題はあるか?
- もし矯正が必要なら、いつから始めたほうがいいか?
- どんな治療方法が考えられるか?(取り外し式か固定式か)
- どれくらいの期間と費用がかかるか?



事前に知りたいことを整理しておくと、限られた相談時間を有効に使えますし、不安もぐっと減りますよ。


5. まとめ:子どもの将来のために今できること
子どもの歯並びは、遺伝だけではなく、生活習慣や環境によって大きく左右されます。
そして、多くの場合、親が早めに気づき、サポートすることで将来の大きな問題を防ぐことができます。
今日からできることは、たくさんあります。
- 指しゃぶりや口呼吸などのクセに気をつける
- 姿勢を正し、よく噛んで食べる習慣を育てる
- 乳歯の虫歯予防をしっかりする
- 定期的に歯科検診を受ける
- 気になることがあれば、早めに歯科医に相談する
子どもの歯並びは、一生ものの財産です。
毎日のちょっとした心がけが、子どもたちの明るい笑顔と健康な未来につながっていきます。



私たち矯正歯科医も、親御さんと一緒にサポートしていきたいと考えていますので、どうぞ気軽に相談してくださいね。










